第2章 地獄の三日天下
ぽつりと零れた光秀の弱音だった。
「正しかったのか…間違っていたのか…っ……それすらもう解らない…でも…、殿を超えたいと思ったことは無い…」
『……』
「あなたに…届きたかった…それだけは嘘でも偽りでもない…」
横にいる兼見も何も口をはさむことも無いままに独り言のように話し続ける。しかしその姿こそ見えないものの茜色というべきか、赤紫というべきか…その光の粒だけは見る事が出来た。
「裏切り、罪人…そう言われてもいい…それでも私は…最後まであなたの家臣です…」
『……』
「殿……私は弱かった…尊敬の裏で…折れてしまった…忠義と恨みが絡まったまま…解くこともしないでその結果…火を選んでしまった…」