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涙の本能寺

第2章 地獄の三日天下


『なぁ、明智よ。』

その声にふと顔を上げた光秀。
そこにはいるはずのない信長の姿。いつもの派手な陣羽織を着て、腕を組んで立っていた。

「なぜ…信長様…?」
『なぁ……十兵衛』
「…っ」
『お前はいつまで泣いているつもりだ?』
「……討つしかないと…言いながら…」

目の前の信長はにっと口角を上げたまま座り込む光秀を変わらず見下ろしている。

「討ちたくなかった…火を放ってもどうにもならないことなど…解っていたんです」

くしゃっと手紙が音を立てた。
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