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涙の本能寺

第2章 地獄の三日天下


「兼見殿?これは?」
「預かっておりましてな」
「…どちらから?」

その問いに小さく兼見は笑うのみ。ただその差し出した手紙を引き戻すことは無いままに穏やかな笑みのまま、『どうぞ』というだけ。
ゆっくりと手にした光秀。差出人も、差出人、花押も無い。

「本当に私にか?」
「はい。そのように聞いております。」

光秀の手が手紙に触れてようやく兼見も手を引いた。
こよりを切り、不思議そうに開いた光秀。かさっと便箋を開いた時だ。

「なんで……っ」

そこには見慣れた信長の字があった。
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