第2章 地獄の三日天下
『俺を討つなら、泣いていては討てんぞ?』
わざと首を差し出す様に信長は笑ったまま一切動かなかった。
「違う…違うんです…殿…っ」
『違わない。俺を討つのだろう?…笑えばいいだろう』
「ちが…っ…違う…!」
ぽたっと床に涙が落ちる。その落ちた場所からボッ…と火が起こる。
やめろ…泣くな…
そう光秀の思いとは裏腹に、零れ落ちる涙は次々に新しい火となり光秀と信長の間に火柱を立てていく。
「違う…!…殿…・・信長様!」
飛び起きた光秀。自分の意思で動く体はまだ、夜の暗闇の中だった。