第7章 再び〜
早速カメラを取り出して撮影を始める
シャッターを切る指が止まらない
アレもコレも……欲張りになる
館内も隅々まで回って撮り続ける
オーナーに付き添われてしつらえを整え終えたお部屋も浴室も撮影した
あとは夜の浴室の雰囲気と夕食、朝食の撮影のみ
今、時間に余裕があるからと料理長も取材を受けてくれた
前回宿泊した時、修行中だったオーナーに料理の感想を思いのままに伝えたことをそのまま料理長にも伝えていたらしくそれが嬉しかった、今日も喜んでいただけたら嬉しく思うと言ってくれた
食材や器へのこだわり、料理長としての心得を聞かせてくれた
夕食を楽しみにしていると伝え席を立つ
料理長がまかないだけどと昼食を用意してくれ、部屋でゆっくり食べるといいと言ってくれたのでそうさせてもらった
部屋にいるとありありと思い出して頬が緩む
一級の調度品には目もくれず、料理も坦々と温泉すらさらっと入るだけ、高級旅館の無駄遣い
昼食後少し仕事をしてからお風呂へ向かう
お湯に浸かって脱力〜
硫黄泉♪
子どもの頃は苦手な匂いだった
今は匂いだけでも体に沁みる
入ったり出たりを繰り返してたっぷり1時間
頭から冷水を浴びて表面の熱を飛ばしてから上がる
バスタオルを巻いて外気に触れにいく
遠くの山を見ながら悟と出会っていなかったら…
どんな暮らしをしていたんだろう
どんな人と巡り合っていたんだろう
どんな経験をしていたんだろう
思いを巡らしながら涼んだ
髪を乾かし、身支度を整えて部屋に戻る
調理場では夕食提供の佳境を迎えていた
配膳場の隅で出来上がった美しい料理たちを次々に撮影していく
どれも美味しそう
最後の水菓子まで撮影し終わって皆さんに感謝を伝え自分のテーブルにつく
本来なら懐石料理なので順番に提供されるが撮影があったためまとめて提供された
そして今回はお食事室を利用させていただいた。
春の食材がふんだんに使われたお料理はどれも美しく、美味しい
季節ごとに味わいたいお料理だ
調理場に食事の感想とお礼を伝え部屋に戻る
残すところ朝食の撮影のみ
提供が7時からだそうで撮影するなら30分くらい前に来るよう言われている
はぁぁぁ、ちょっと横になろう……
疲れたな……
目を閉じたら眠ってしまった
「コンコンコン」
ノック音で目が覚めた