第14章 滴る
なに上から目線で「良い方なんじゃね?」だよ!!
ふざけてんのか!!
どっからどうみても!!!
この上なく美し過ぎるだろうが!!!!
「目も眩むほどの美貌の持ち主ですー!」
「……てか、写真の苗字ちゃん、顔ぎこちなくね?本当に恋人?」
ギクゥッ
こいつ…す、するどい…!!
さすが腐っても営業職…!!
「みんなの前で彼氏に抱き寄せられたので照れてるだけです…」
「ふーん…」
う、疑われてる…
なんなんだよこいつ。
てかずっと着いてくる。
…まさか家まで来る気か?!?!
なんとしてもそれは避けたい…
私は写真を見せるのをやめ、メッセージアプリを開いた。
義勇くんとのトーク画面は、土曜日の《着きました》に対して彼からのスタンプが1つだけ返ってきたところで止まっている。
そこにメッセージを入力して送信ボタンを押す。
すると、すぐに返事が返ってきた。
《義勇くんこんばんは、今お仕事中ですか?》
《こん ばんは 仕事は今終わっ た》
《まだ学校にいます?》
《います》
《もし時間あったら、今から会いに行ってもいいですか。今〇〇のあたりです》
《問題ない 待っている》
よし!よし!!!
これで家まで着いてこないだろう!!
なんか最初の義勇くんのメッセージ、変なとこで空白とか改行とか入ってるな。
急いで返信してくれたのかな。
かわいい!
「彼氏に連絡してんの?」
「ええ、渡したいものがあって。ちょうど通勤ルートに彼の職場があるので」
「は?!なにそれ」
「なので、ほんとに、もう帰ってください」
自分にしては、いつもより強めに境界線を張ったつもりだった。
それを向こうも感じ取ったのか、面白くなさそうな顔をして、とんでもないことを言いやがった。
「…苗字ちゃんの彼氏さー、さっきの写真見た感じだと、イケメンだけど真面目そうっていうか、面白みなさそうだよなー。みんないるのに平気で彼女抱き寄せちゃうところも、なんか、普段から空気読めなそう」
……は?
………はぁ?
……………はぁああああ?!?
こいつ、しつこいだけじゃなく、わ、わた、わたしの推しをっ…
愚弄した?!?!?!
え?!
もうここで、プッチンしてまった。