第9章 飛沫
「おい、そんな一気に飲むなァ」
「うっ…」
さすがにサングリアでも一気はきつい…
「すみません、いい歳こいて取り乱しました…私みんなよりけっこう年上なのに…」
「はぁ?どうみても同年代だろうがァ」
「え?」
「え?」
「え?」
同年代?そんなわけない。
だってみんな見たところ20代前半っぽい…
「…名前ちゃん、いくつよ?」
「…26ですけど」
「…冗談だろ?」
「まじですけど…」
……………
「「はぁああああ?!?!」」
しばらくの沈黙のあと、不死川さんと宇髄さんが同時にさけんだ。
「よもや!若く見えるな!」
「本当、びっくりだわ」
「絶対俺より年下だと思ってた…派手に年上だ…」
「5つ上ェ…」
き、気まずい…え、私そんなに幼くみえる?
言動がアホ丸出しだからか…?
ちらりと義勇くんをみると、目を見開いて固まっていた。
あなたも同年代だと思ってたのね…
気まずくて、なにか飲もうとして、でもサングリアはもう無いので近くにあった水をのんだ。
「!…まてっ」
義勇くんが止めようとしてくれた時にはもう口の中に流し込んでいて、喉を通る瞬間だった。
止められるはずもなく、飲み込んだ後にこれが水ではなく義勇くんが飲んでた日本酒だと気づく。
「うぇ…けほっ…」
「…大丈夫か?」
飲んだのが少量でよかった
先ほどのサングリアの比じゃない
義勇くんが背中をさすってくれる。
うぅ…優しい…
「水もらうわァ」
「派手に大丈夫かぁ?」
「名前さん大丈夫?」
「袋も必要だろうか!?」
みんなも優しい…
年上なのに情けない…
飲み慣れてない味に涙が出てくる。
ずっと背中をさすってくれてる義勇くんに、もういいよと伝えようと顔をあげたら思ったより顔が近くにあり目が合い、お互いに息を呑んだ。
「…水面月…」
「へっ?」
私が聞き返すと、ハッとした顔をし、再び背中をさすってくれた。
「いや…大丈夫か?」
「うん、大丈夫です…ご心配をおかけしてすみません…」
「本当に年上なのかよ」
「天元さんそれ今の私に1番効く…」
「オラ、水飲めやァ」
「袋もあるぞ!」
不死川さんと煉獄さんが水と袋を持ってきてくれて、そしてなぜがカナエさんは酔いに効くツボを押してくれた。
なんでそんなツボ知ってんの?