第1章 水月
それから毎日挨拶した。
推しの彼のことは心の中で竹刀先生と呼ぶことにした。
挨拶だけの日々だったが、それだけでもなかなか満たされた。
時々彼じゃない教師が立っていることもあったが、もちろんその場合でも挨拶はしている。大人として。
が、やはり推しに会えないのは萎えた。
あと個性的な教師が多すぎる。
彼も中々個性的だなと思っていたけど、他の教師もやばい。
特になんか傷だらけで顔めっちゃ怖い人。
もしかして挨拶運動じゃなくて不審者撲滅運動なのかもしれない。
だって顔がその筋の人なんですもの。
なんなら教師じゃない可能性すらあるぞと考えてたら、
ちょうど誰かがその人を「〜せんせい」(名前はよく聞き取れなかった)と呼んでいるところを見たので、やはり不審者撲滅運動なのかもしれない。
効果はてきめんだと思う。
そんな感じで推しに会えたり会えなかったりの日々を過ごしていたが、事件はおきる。