第2章 水紋
「今日は自転車じゃないのか」
そう、今日はいつもの自転車ではなく、徒歩で来たのだ。
そして時間もいつもより早めに家を出た。
あの事件の後、職場についてからもう一度自転車をしっかり確認したらベルは壊れて鳴らないわライトのとこは割れてるわで、乗れなくなってしまった。
それを伝えると竹刀先生はなぜか申し訳なさそうな顔をした。
「すまなかった」
「は?!なにがですか?!」
「俺じゃなければ助けることができたはず...」
「んん?...助けてもらいましたよ?」
「助けれていない」
これは、話の流れ的に私じゃなく自転車のことだろうか...
そもそも、自転車を助けれなかったって発想になるのがびっくりだ。
俺じゃなければって、誰と比べているんだろう。
突然自分のことを下げ出すなんて...この人、こんなクールな感じで実はコンプレックスが強いのか...?
もしそうなら、私が歴代推してきた二次元のキャラクターたちとまじで同じだ...
こんなにも癖にささる人が現実にいるなんて...
なんて感動しつつ、お礼を受け取って貰えない理由がなんとなくわかったので、ちょっと工夫をしてみることにした。