第2章 水紋
「昨日はありがとうございましたー!」
幸運にも、撲滅運動は二日連続で竹刀先生だった。
もしかしたら渡せるかもと昨日買った、ちょっと良いケーキ屋さんの焼き菓子をお礼の言葉とともに竹刀先生へ差し出す。
「.....」
竹刀先生は受け取ってくれず、無表情に見えるけどどこか気まずそうに、じっとそれを眺めるだけだった。
「礼は...必要ないと言ったはずだが」
「そうは言われましても!あんなふうにご迷惑をおかけして何もせずは無理です!」
「無理じゃない」
「いや無理です!」
はぁ...と呆れたように視線を落とす竹刀先生。
なんか、ずっと無表情だと思ってたけど、いや、今も表情筋は全然動いてないけど、思ってたより顔に感情でやすい人な気がする...。
かわいい!!
推しの意外な一面に少し興奮しつつ、どうやってこの焼き菓子を受け取ってもらおうか考える。
「焼き菓子はお嫌いですか?」
「嫌いじゃない。だが礼はいらない。」
隙がない....。
名のある武士なのかとツッコミたくなるくらい隙がない。
時代が時代なら凄まじい剣士になっていたんではないだろうか。
剣士の推し...良すぎる...
なんて妄想は置いておき、どうするか迷っていたら今度は竹刀先生が口を開いた。