第1章 LazyGirl
「あんたの性格も大概だからね。普通振っといて来る?」
「実際来たら入れてくれるじゃん」
ドヤ顔で開き直る元カレに、私はサラッと言い放った。
「挿れてるのあんたじゃん」
「……そういうくだらないシモネタぶっ込むなよ」
眉をひそめて嫌そうな声を出す彼。
私の悪戯心に火がつく。
もう私は可愛い彼女じゃないんだから。
取り繕おうなんて思ってないことをはっきりと見せるだけ。
「じゃあ、また挿れとく?」
「お前さ、そういう誘い方色気ねえよ」
溜息混じりに文句を言う綺麗な顔を見下ろして、私は心底あきれ顔を作る。
文句を言いながらも私の腰に彼の腕は巻きついたままだ。
「あんた、マジ面倒くさいね。振られて正解だったわ」
「……っ、お前ホント言いたい放題だな!」
悔しそうに顔を歪めながらも、彼は私のタバコの苦い匂いに包まれたまま。
そのま乱暴に、ベッドサイドで座っていた私の腕を引いて、私をシーツの上に戻した。唇を塞ぎにくる。
彼の意志で手放したはずの私、だけど彼は多分手放しきれてない。
そして私は手放されても手放されなくても、ただここにいるだけだ。
彼が来たいと思う限り、私はここで彼を待ってしまうのだろう。
付き合う前から、そして、付き合っていた時とも変わらず。
彼への気持ちは変わってないのだから。
ただ、大切な人が望むことを受け入れ続けたいだけだ。
そこに私がいても、いなくても、私は彼の幸せを望むだけ。