第1章 LazyGirl
「……可もなく不可もなく、だな」
そう呟いた彼の言葉に笑ってしまった。
感想、昨日の私と全く一緒。
笑い声とともに紫煙が吐き出される。
「アイス食べながらタバコ吸うとか。お前、ヤニカスの鏡だな」
「タバコ吸い終わるの待たないからでしょ。
来て早々アイス食べてるのあんたじゃん」
なんとなく、これもいつもの流れだ。
私がタバコ吸ってるのに彼は持ってきたアイスを食べだすし、
それをせっせと私の口元に運びながら自分でも食べてる。
彼はアイスのパッケージを眺めて納得したような顔をした。
「これ、アイスミルクだ」
「私も昨日見落としてた」
「アイスクリームって書いてあるのを買うんだろ?
お前の変なマイルール」
知ってるならちゃんと見て買って欲しい。
昨日の私は新作のPOPに騙された。いや、見落としただけだけど。
「でもさ、言ったことあったっけ?」
「なんかコンビニで力説されたから覚えてる」
「そうだっけ?」
可もなく不可もないのは、アイスクリームじゃなかったから。
知ってて確認をサボるなら怠慢だ。
「あと、お前。タバコ吸いながらだとスプーン咬んで割らないから」
「は?」
「だから、タバコ吸ってる時に食わせるほうがマシ」
彼はスプーンの先を見ながら鼻で笑う。
なんか誇らしげにしてるのが鬱陶しい。
「タバコ吸いながらアイス食べるみたいな
ヤニカスの鏡にしてるのは、あんたの策略だったわけ?」
「割れたの使って口が切れたって一々文句言ってるのウザいだけ」
「いつものことだから文句なんて言わないけど」
タバコを吸い終わると同時にアイスもなくなったようだった。
彼はアイスの空き容器と一緒に、
私の吸い殻が山になっていた灰皿もキッチンに片付けに行った。