【H×H 短編集 ✴︎ R18】狂気の先にある日常
第1章 赤いシャツ ※裏 イルミ×使用人
イルミは再びナレッタの腰を掴み、力の入らない体を強引に起こさせる。
「あっ……イッ……」
再び最奥を抉られるような鋭い痛みが刺す。
反射的にナレッタはわずかに腰を浮かせた。だが、イルミに腕を取られる。
「ほら、続きやってごらん。俺は動かないから自分で動いて。殺せるタイミングを作ってごらんよ」
痛みで瞑っていた目をナレッタは薄く開けた。イルミはいつに無く真剣なふうな真顔だった。ナイフを握りなおすように手を包まれる。
(こ、怖い…)
養成所のゴトーもキレると怖かった。だが、至近距離のイルミは別格だった。オーラは相変わらず穏やかなままだというのに。
――続きヲヤレ。
命令に従わずに躊躇していれば、待っているのはもっと酷い仕打ちだ。そう直感したナレッタは、迷いを振り切り覚悟を決めた。能力者として磨いてきた勘が、今は自ら動くべきだと告げていた。