【H×H 短編集 ✴︎ R18】狂気の先にある日常
第1章 赤いシャツ ※裏 イルミ×使用人
起き上がってもイルミの気配は穏やかなまま何も変わらなかった。
ナレッタとて念の使い手だ。それなのにイルミには殺気が微塵も感じられない。
「この屋敷で俺に刃向かうやつなんていたんだ」
小さく呟くと、イルミは欠けたナイフをナレッタの手に押し戻す。
「いいよ。もっとやりなよ」
「……ほ、本当ですか?」
「うん」
イルミは自分の首筋を指でなぞった。
「でも俺を恨んでるなら、ココ。頚動脈を狙ったら?」
「……」
ナレッタは戸惑った。
イルミが死んだらその後、永久に血の匂いを嗅げなくなってしまう。
「それと殺気が漏れたら意味がない。不意打ちでとどめを刺すつもりなら隠さなきゃ。養成所で何を教えてもらったの」
迷っている隙にも、行為は進められていく。イルミはナレッタのジャケットを強引に引き剥がし、ブラウスのボタンを次々と器用に外した。抵抗しようとした腕は軽く押さえられ、スラックスと下着もまとめて床に捨てられる。
露わになったナレッタの白い胸を、イルミの両手が弄ぶ。
「殺したいほど憎い相手に、こうされるのってどんな気分?」
「っ……」
「死にたくなる?」
イルミの親指と中指がナレッタの胸の先端をぎゅうと潰し、人差し指が頂きをそっと掠める。
「んっ……」
「でも、俺は仕事でもないのに殺したりしてあげない。仕留め損ねた絶望なら教えてあげる」
「……」
「特別サービスだよ」
耳元で囁かれた声に、ナレッタの背筋が凍りつく。イルミの指に強く摘まれた胸の先端が、きんと悲鳴をあげる。イルミに与えられる強烈な痛みは、自分に逃げ場がないことを否応なく突きつけていた。