【H×H 短編集 ✴︎ R18】狂気の先にある日常
第2章 被験体 ※裏 シルバ×イルミ×教育係
「俺にとって、生まれた時からずっと父さんがいて、ゾルディックがあった。それが一番なのは、たぶん変わらない」
イルミは迷いなく言った。
「おねーさんは二番」
「……そっか」
「うん。ごめんね」
少しも申し訳なさそうじゃない声は、
だからこそ本心なんだと思わせた。
「でも」
イルミの手が、もう一度、今度はあたしの頬に触れる。
「二番だからって、どうでもいいわけじゃない」
黒い瞳が、真っ直ぐあたしを見た。
「俺が大切にするって決めたんだよ」
父親に逆らうでもない。
家族を捨てるでもない。
その全部を抱えたまま、それでもイルミはあたし自身と向き合っている。
「だから、俺を信じて」
そしてイルミは、静かに言った。
「絶対、苦しませない」
随分と勝手な話だ。
二番だと言われて、大切にするのも自分で決めて、信じろとまで言われている。
全て、イルミのエゴでしかない。
なのに。
綺麗な言葉で取り繕うこともなく、自分の都合も感情も、そのままあたしに差し出してくるイルミが、どうしようもなく愛おしかった。
「……ありがとう、イルミ」