【H×H ミルキ】夏の大作戦 〜軽井沢に行きませんか?〜
第2章 思わぬ出逢い
軽井沢駅前のロータリー付近。
三人の男が、エスカレーターと階段を見渡せる位置に立ち、人の流れを静かに見張っていた。
「いた」
黒い長髪の男が小さく呟く。
「ミントグリーンのワンピース。麦わら帽子」
「あいつか」
隣の男が視線を向ける。
「ふぅん♡ ああいう子が好みなんだ」
もう一人の男が揶揄いとも好奇心とも取れる言葉を漏らし――長髪の男が一瞬、鋭い視線を向けた。
「で」
一向に気にした様子もなく、派手な髪の男は続ける。
「どうやって声かける?」
「普通でいいんじゃない? さっさといこ」
短髪の男は首を横に振った。
「待て。お前が行くと警戒される。ここは俺に任せろ」
「怪しまれるようなこと、するつもりないけど」
「イルミ♢」
名前を呼ばれ、振り返るその表情は能面のように動かない。
「クロロの言う通り♡」
「女の子に無表情で近付くなんてイケないよ♢ ボクたちは、向こうが話しやすい状況を作るくらいで十分」
「そう?」
能面がこてんと傾く。
短髪の男は三人の様子を見つめる。
「……焦るな。向こうが困る瞬間が来る」
しばらくすると、駅前で男たちのターゲットが立ち止まる。
それからスマートフォンと案内板を何度も見比べ始めた。
「よし」
短髪の男が小さく笑う。
「今だ。いけ!」
派手な髪の男は自然な足取りで近付く。
「ねぇねぇ、君たち♢ ひょっとして、何か探してる?」
ワンピースの女が振り返る。
「あ……はい」
「実は、ゾルディック・フォレストヴィラへ行きたくて」
驚いたように目を丸くした――
「へぇ。偶然だね」
「ボクたちも、ちょうどそっちに向かうところなんだ♡」
――ヒソカは人懐っこく微笑んだ。