【H×H ミルキ】夏の大作戦 〜軽井沢に行きませんか?〜
第4章 波乱のカラオケ
軽快なメロディーが流れ始める。
室内は、先ほどまでとは打って変わって、お遊戯会のようなのどかな空気に包まれた。
「ある日~♪」
イルミが無表情のままマイクを握り、落ち着いた低音で歌い始める。
「森の中~♪」
穂乃果もつられるようにマイクを持ち上げ、二人は並んで童謡を歌い始めた。
『くまさんにー出会った♪』
「かわいい……」
意外にも息の合った、ほんわかとした二人のデュエットに、莉子は思わず笑みをこぼした。
――その瞬間だった。
クロロが突然、リズムに合わせて手拍子を始める。
♪『はなさくもりのみち――』
そしてクロロは、イルミと穂乃果の歌声に合わせるように、唐突に口を開く。
「○んちんぶらぶら、ソーセージ」
部屋の空気が、一瞬で凍りついた。
「……」
穂乃果が歌うのをやめる。
夏希が吹き出しそうになり、莉子は口元を押さえて肩を震わせている。
イルミは歌うのをやめ、ゆっくりクロロを見る。
「……ねえ」
「なんだ」
「今の何?」
「何って、合いの手だが」
「それ……今必要?」
クロロは悪びれる様子もなく肩をすくめた。
「すまん。親がクズゆえ、俺の中ではこれがデフォルトで育ってしまった。他意はない」
「いや、あるだろ」
「寧ろお前はこれを待っていたのではないのか?」
「……なわけないでしょ。下品なことやめてよね」
するとクロロは隣のヒソカへ視線を向けた。
「というより、ヒソカ」
「ん?」
「高校時代、カラオケで毎回この歌になるたび、お前が全力で振り回していたことを忘れたとは言わせないぞ」
ヒソカは顔を引き攣らせながら笑う。
「やだなぁ♤ ボクまで巻き込まないでよ」
「……はぁ」
イルミは深くため息をつく。
「キモい」
「イルミだって、この歌だけは毎回ニヤッとしてたじゃないか♧ 普段はあんなに大人しかったのに」
「……いつの話?」
「ハンター保育園の頃だ」
「忘れた」
即答だった。
そのあまりの真顔に、莉子が堪えきれず吹き出す。
「ふっ……あははは!」
それにつられて夏希も笑い出した。
「もう何なの、この人たち!」
穂乃果も困ったように笑うしかない。
「あは。あはは……」