【H×H ミルキ】夏の大作戦 〜軽井沢に行きませんか?〜
第4章 波乱のカラオケ
「えぇぇ!?」
クロロの歌を聴きながらその様子を見ていた夏希が、思わず声を上げる。
「何、今の? イル君、穂乃果だけ特別扱い?」
「別に。俺は穂乃果の食事の量を管理してるだけ」
「なんでなんで? 親!?」
部屋中が笑いに包まれ、穂乃果は恥ずかしそうに俯いた。
(なんで、イル君。私にだけ……)
手を拭けとばかりに濡れたペーパーナフキンを目の前へ放ってくるイルミに、穂乃果の鼓動が小さく鳴り出した。
そんな穂乃果へ、莉子がマイクを差し出した。
「はい次、穂乃果歌いなよ!」
「えっ、私?」
マイクを渡されて固まる穂乃果にイルミが体を寄せる。
「無理に歌わなくてもいいけど、穂乃果が歌いたければ歌えば? どうする? 」
室内がうるさいからだろう。とはいえ、耳元で囁かれればくすぐったい。
「っ、んー……。えっと、歌える曲……あるかなぁ」
慌てて、穂乃果は履歴をスクロールしていく。
その横から、イルミの長い指が画面を指した。
そこには『森のくまさん』のタイトルがあった。
「これなら俺も知ってるよ」
穂乃果は目を丸くする。
(歌に興味ないんじゃなかったの…?)
「一緒に歌う?」
「えぇっ!?」
まさかの提案に、部屋の空気が一瞬止まった。