【H×H ミルキ】夏の大作戦 〜軽井沢に行きませんか?〜
第4章 波乱のカラオケ
莉子は勢いよく頷いた。
「それじゃあ、他にもおすすめの曲とか教えてもらえませんか?」
「もちろんだ」
「今の曲も、もう一回聴きたいです! 配信とか、されてないんですか?」
莉子が思わず身を乗り出す。
クロロはスマホを取り出した。
「YouTubeには上げている。カバー動画だ」
「本当ですか!?」
「良かったら送ろう」
「……あ」
「そのためには、LINEを交換しないとな」
「いいんですか!?」
「当たり前だろ」
莉子は慌ててQRコードを表示する。
ピロン。
「送った。少々音源を拝借しているところがあってな。いずれ予告なしに削除する可能性がある。早目にチェックしておけ」
「はい! ありがとうございます!」
嬉しそうにスマホを握りしめる莉子を見て、夏希はテーブル越しに小さくガッツポーズを作る。
(ナイス、莉子……!)
(これで別れた後も連絡取れるじゃん!)
夏希はもともと人懐っこく、初対面でも物怖じせず話しかけられる性格だ。
けれど、相手を本気で気になり始めると話は別だ。
断られたらどうしよう。
迷惑だったらどうしよう。
そんな考えばかりが頭をよぎってしまい軽いノリでは踏み込めない。
だからこそ、莉子が自然な流れで連絡先を交換できたことが少し羨ましくも、頼もしくもあった。
そんな夏希の乙女心など露知らず、クロロと莉子は真面目な顔で互いの連絡先を送り合っていた。