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【H×H ミルキ】夏の大作戦 〜軽井沢に行きませんか?〜

第3章 賑わう車中


イルミがバックミラー越しに、最後部座席に視線を向ける。

「穂乃果。そっちエアコンの風いってる?」

「はい! 涼しいです」

「寒いとか、酔いやすいとかあったら、言ってね」

「は、はい……」

「君、さっきから緊張してそうだから」

「いえ、そんな! とても楽しいです」


そんなに口数が多いとは言えないイルミから突然名指しで呼ばれ、穂乃果は思わず肩を震わせた。

(……びっくりした)

一瞬だけ胸が高鳴る。

でも、すぐに思い直す。
実家の父も車を運転する時は、後部座席に乗せた柴犬の様子を何度も気にしていた。
運転中に後ろへ声を掛けるのは、きっと誰に対してもすること。特別な意味なんて、あるはずがない。
そう考えると、少しだけ落ち着いた。


実際思っていたより、団長たちはずっと親しみやすかった。
こう言う場に慣れていない穂乃果も少しずつ緊張がほぐれていた。 

「ほら!」

夏希が嬉しそうに笑う。

「だから言ったじゃん! 何でも飛び込んでみなきゃ!」

「そうだね! 夏だもんね!」

穂乃果も思わず笑顔が溢れる。



――その一方で。
莉子だけは、小さく首を傾げていた。

(いや……)

(こんなに怪しい人たち、なかなかいないでしょ)

名前はヒソカ、団長、イル。
初対面なのに妙に距離が近くて、全員どこかズレている。
それなのに、車内は笑い声でいっぱいだ。
莉子はその違和感を胸の中にしまっておくことにした。

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