第4章 強かな婚約者
昴の頬に、加減なく悟の拳がぶつかった。
「??!!!」
椿も直哉も目の前の悟の愚行に我が目を疑う。
吹き飛ばされた昴の体は部屋の壁にぶつかり、顔は歪んでいるのが肉眼でも確認出来た。
「っ!?悟!!」
椿の叫び声も虚しく。
悟は倒れている昴を片手で持ち上げると。
また容赦なく殴り付ける。
昴が悟に殴られているのを、呆然と見ているしか出来なかった。
しかし、我に返って椿は悟にしがみ付いた。
それ以上昴を殴ったら死んでしまう。
そんな事になっては、せっかく直哉に備えていた全ての事が無駄になってしまうから。
椿は力強く悟の体に縋り付いた。
「っ!!お願い悟!!辞めて!!」
椿の言葉にピタッと昴を殴る拳が止まった。
「……………。」
息を呑む事さえ出来ない沈黙の中。
誰もが悟の行動を待った。