第4章 強かな婚約者
直哉が椿に触れていても、昴は身動き1つしない。
それは、椿が昴に合図を送っていないからだ。
椿から指示が無ければ昴は動く事をしない。
今じゃ無い……。
直哉を殺すのなら、今じゃ無いと椿は思った。
触れられて不快で体が震えても。
今はその感情を隠さなければならない。
直哉はまた目線を昴から椿に戻した。
直哉と目が合うと、椿に嫌な感情が込み上げてきた。
本当に。
嫌になる位に、直哉から目を離せない。
こんなに嫌いで憎んでいるのに。
まるで夢の中の自分が直哉と目が合い喜んでいる様な感覚に襲われる。
あの悪夢を見ていなければ、簡単にまたこの男に気持ちを奪われそうだ。
そんな嫌な気持ちが出てきて、椿は直哉から目を逸らした。
そんな嫌な空気を打ち消したのは、やはり五条悟だった。