第4章 強かな婚約者
「…そんな顔されたら、傷付くやん。」
椿の表情に、直哉の瞼が一瞬震えたが、すぐにいつもの笑みを戻した。
直哉が苛立っているのがよく分かる。
「ほんの少し、俺とも仲ようしようや。」
その『仲良く』と言う単語は椿を中々不快にさせた。
隣に座られて、肩に触れられたら思わず手を払いのけたくなりそうだ。
昴を目の端で見た時に、直哉に顔を掴まれた。
目線を合わせた直哉を見て、その冷たい目線に椿の背中がヒヤッとした。
いつも自分はこの目に殺された。
途端にまた、椿の心臓が強く鳴った。
冷や汗が出る感覚がして手足が痺れる。
「…あの男は、あんたの何なん?」
直哉も昴を見ながら不愉快そうに言った。
いつの間にか椿の側に居るようになった一条昴。
本当なら、五条悟が居るはずのポジションに居る昴に、直哉もまた不快さを隠さない。