第4章 強かな婚約者
椿はチラッと昴を見た。
昴は椿の視線に気がつくと、一瞬目を合わせてまた顔を逸らした。
悟に頼み、昴に術式を覚えさせた。
椿の身を守らせる為に。
直哉に負けない様に、昴を強くさせた。
椿は夢で見た滑稽な女にならない様に。
現実では呪術界の事もちゃんと勉強した。
特に禪院家と五条家に関しては、小さな動向すら見逃さない様にしている。
禪院家が死ぬほど欲しがっている術式。
相伝で、直哉が持っているより歴史が長く、生まれ持ったなら必ず当主になれる術式。
それを持っている昴。
なら、直哉を殺して昴を禪院家に渡せば、それで済む話では無いか。
昴が駄目でも、悟が禪院家の直結の子供と接触していることも知っている。
あの一族は術式こそが正義で、直哉の穴埋めには二人の術式で十分だ。
椿は笑いが込み上げるのを口元を手で隠した。
なんだ……簡単な事だ。
それならわざわざ五条悟と結婚しないでも済む。