第4章 強かな婚約者
それが腹立たしくて仕方ない。
確認の為に今日は女を呼んだんだ。
だけど、その現実を実感すると、残ったのは気分の悪さだけだった。
きっとあの傲慢な婚約者は自分がそんな風に思っている事なんて気づかないだろう。
(気付いても鼻で笑うだろうな、あの女は……。)
元々椿から逃れたくて始めた遊びだった。
終わる理由も椿である事に何の戸惑いもなかった。
(むかつくから、椿には絶対言わないけどね。)
腹立たしくはあったが、不思議な納得感を得た理由は。
最後に見た顔を赤らめた椿の表情を思い浮かべたからだった。
しかしまたすぐに苛々する日常に戻る。
今までの様に、他の女で気を紛らわす事は出来ない。
そうなれば、この苛々を抑えるには方法は1つだった。
椿に会いに行く。
そうすればこの気持ちが落ち着くと分かっているのに。
中々気持ちは前向きになれなかった。