第4章 強かな婚約者
ただ、自分が夢の様に死ぬかもしれない恐怖の毎日の中で。
必要な役割だけをこなしてくれる悟から。
少しだけ、彼の人情に触れた気がした。
だけどそれは少しのアクシデントの様なモノで。
だからと言って悟に対して心が動く事も無い。
わざわざ、夢の様に他の女達と共有する様な恋人も要らない。
「……車を出して…「もう女性が出てきました。」」
悟の監視を辞めて帰ろうとした時に、昴が口を挟んだ。
もう?
女性と密な時間を過ごしたとしたら、短か過ぎだ。
椿は昴が見ていた望遠鏡を取り上げるように覗き込んだ。
昴が言った様に寝室から女性が1人で出てくる。
そのまま悟の部屋からも出て行ったのは間違いが無いようだ。
「………早くない?」
「……俺には分かりません…。」
さっさと行為だけを済ませたのだろうか。
それにしても早すぎる時間に椿は疑問に思いながらも、やはりこれ以上監視をするきにもなれず、結局自分達も部屋を後にした。