第4章 強かな婚約者
この行動も知らないで騙されるより、知っていて騙される方が自分のなりふりを考えることが出来るからだ。
何も知らず、騙されて殺されるのはもうごめんだった。
ただ、悟に守って欲しい期間だけの結婚だ。
この情報で何か悟を攻撃しようとは思っていない。
椿はため息を吐きながら苦笑した。
夢でも現実でも、他の女と共有される。
そんな男達に縋らないと生きていけない人生に何の意味があるのだろう。
実際に悟の浮気現場を見た時にこの心はさほど動かなかった。
散々な夢を毎日見ているおかげか。
それより……。
「ふっ…。」
思わず笑みを漏らしてしまった椿を昴は不思議そうに見た。
「……何でもない…。」
昴はすぐに表情を戻した椿の横顔を見た。
その笑みは苦笑と言うより、楽しい事を思い出した笑顔に見えた。
余計に昴は混乱する。
この状況で何が楽しいのだろうか。