第4章 強かな婚約者
顔も……。
まぁ顔はさほど、この女に求めてなかった。
椿は普段から着飾ることはしないで、黒い服と簡単に結んだ髪型でさえ。
椿の美しさを隠す事は出来なかった。
悟は今まで椿より綺麗だと思った女性に出会った事は無い。
椿と比べると劣る所しか無い女が、自分が選ばれると自信満々に近付いてくる。
その反面。
誰でもが手に入れることが難しいあの女が、初めて自分に縋ってきた。
僕と結婚したいと。
その為にはどんな事でも受け入れると。
(タイトなスカートを履けと言ったっけ。)
きっとそのスカートから覗かれる脚は、目の前の女の脚なんて比較にならないくらい魅力的だろう。
きっとそれが覗かれただけで理性を失う様な。
考えただけで気分が高揚する。
せっかく椿で得た高揚を汚されたく無かった。
悟はゆっくりと巻かれている腕を剥がした。
驚いた様に見上げる女に、悟は笑いそうになった。