第4章 強かな婚約者
自分も連絡の無い椿に対して、今日ほとんど無理矢理会いに行ったのだ。
(……こんなに煩わしい気持ちなのか…。)
椿が今日、自分にどんな感情を持ったのか、こんな形で気付くことになった。
悟がゲンナリしているのに、構わずに腕を絡めて体を密着させてくる。
悟は目頭を押さえた手を避けて、その女を見下ろした。
嫌いじゃ無かった……。
むしろ好きだったこの体の感触が今は不快でしょうがない。
そう言えば何故この女を相手に選んだのだろうか。
自信に満ちた上目遣いで自分を見上げる女性に。
悟は目を細めた。
確か、この自分以外の人間を見下している女の目線が椿を思わせた。
しかしこうして椿に会った後に見ると、その女は明らかに紛い物に思えて仕方ない。
椿の体はもっと細くしなっていた。
初めて触れた乳房は柔らかく。
顔を近付けて嗅いだ香りはもっと刺激的だった。