第4章 強かな婚約者
悟はそのまま高専に戻る気になれなくて、都内に借りている自分のマンションに戻った。
ほとんど使わないマンションだったが、女と会う時にはここを使う。
一人になりたくて帰って来たのだが、それが仇となった。
「………何で居るの?」
「悟さんが連絡無視するから。」
悪ぶれもしないで、家の目の前にいる女性に悟は嫌悪感を隠さない。
「て言うか、その目隠し何?見えるの?それ。」
女は悟を上から下まで見ながら、訝しむ顔をして言った。
大抵女性と会う時はサングラスだ。
高専の制服も着ていない。
自分のテリトリーに入って来た女性は、明らかに悟の苛立ちを増幅させる。
「……そんな気分にもならないから、帰ってくれる?」
優しく言っている内に帰った方が本人の身のためだ。
しかし、それが分かるなら、こうして目の前に現れる事は無いだろう。
連絡が無いのなら、そう言う事だろう。
目の前の女性の頭の悪さに目眩がしそうだったが、悟はふと考えた。