第3章 愚かな傍観者
真っ黒なワンピースに身を包み。
表情は全く無く、椿はその会場に現れた。
噂とは大分違う椿に、周りの大人達が戸惑っているのは分かっていた。
椿はチラッと直哉を見た。
夢で見たそのままの姿の直哉を見た時に、椿の心臓が掴まれた様に痛かった。
しかし、当の直哉は目が合った椿から顔を逸らした。
どうやらこの姿の椿に興味が無い様だった。
その直哉の反応に、椿は笑みが溢れそうになるのを我慢した。
そして椿は五条悟を会場で探す。
………すぐに分かった。
夢の中の自分は何故、直哉が王子様だと思っていたのだろうか。
居るじゃないか、昔の自分が夢見た王子様がそのままの姿で。
椿はホッとした。
自分が面食いだと言う事は十分分かっている。
五条悟は椿にとって、結婚出来るほど顔が好みだった。