第3章 愚かな傍観者
直哉に殺される夢に翻弄される毎日で、椿は現実でも直哉の名前を聞いた。
五条悟の誕生日パーティーに御三家が集まる。
そしてその御三家の中に、『禪院』の名前があった。
その名前を見た時に、全身の血が逆流した様だった。
『絶対に行きたくない。』
その夢と同じシチュエーションに椿は確信した。
アレはやはり夢では無いんだ。
このパーティーに参加したなら、夢と同じとおり、自分は直哉に殺されるかもしれない。
鼓動がおかしい位に早くて、息をするのも出来なかった。
どうすれば自分は死なずに済むだろうか。
それだけが頭の中を駆け巡る。
椿はふと、夢の中の出来事を思い出した。
禪院家より力が強い『五条家』の存在。
そして将来その当主になった『五条悟』。
今度のパーティーで彼を婚約者に選べば、死ぬ事は無いかもしれない。
小さな希望が椿の中で沸いたのだ。