第1章 五条悟の婚約者
15年前の今日。
伊集院椿が初めて僕の前に現れた。
本家で行われた6歳の誕生日。
現れた椿は真っ直ぐに僕の所に来て、傲慢に指を指して言った。
「あなたにするわ、五条悟。」
そう言った椿は何の感情も見えない無表情で。
ただ黒いだけのワンピース。
黒い髪を流しているだけの椿の姿は魔女の様だった。
「は? 誰だよ、お前。」
ここで僕にこんな態度を取る人間は、大人でも居なかった。
数百年ぶりに五条家の相伝『無下限呪術』と特異体質『六眼』を兼ね揃えた特別な子供。
ここ五条家でこんな無礼な態度を取る。
ただで済むとは思っていなかった。
「あなたの結婚相手よ。」
スッと指を下ろして言った椿の言葉に。
周りは叱咤するどころか、歓喜の声が上がった。
「本当ですか? 伊集院様!」
喜びながら周りを囲って祝福モードの大人達。