第3章 愚かな傍観者
それでも20歳を過ぎても、24歳を過ぎても、椿と結婚してくれない。
それどころか、いつも誰か他の女の影がある。
狂った様に直哉だけしか見なく、政治も情勢も何も考えない椿に。
見切りをつけたのは伊集院家の方だった。
彼らはすぐに椿から、全ての権限を奪うと、直接禪院家と交渉を始める。
椿が禪院家に役に立たなくなったのを確認すると、直哉は更に椿を追い詰めた。
「……直哉くん……何で……。」
久しぶりに直哉から誘われたので、喜んで出てきた。
だけどそうして連れられた場所は、人が絶対に来ない様な山奥だった。
その時の椿には分からなかったけど、周りにはタチの悪い呪霊が直哉を囲んでいた。
直哉が居なくなれば一斉に椿に襲いかかれる様に。
「何で言われても………。もう使い道あらへんからなぁ…。」
そう心底見下した様に見下ろされて、直哉は椿から離れていく。