第3章 愚かな傍観者
とても気持ちよく椿の中に射精して、直哉は気分良くその余韻に体を任せる。
「はっーっ……はぁ………はぁっ……。」
荒い呼吸を繰り返して、直哉はぎゅっと椿を抱き締めた。
この高揚感を見事に満たした椿を褒め称える様に、隙間無く抱き締めると、キスを何度も繰り返した。
「……はぁ……はっ……これでお前は俺のモンや。」
独占欲の様な直哉の感情を受けて。
椿はただ幸せだった。
やっと、この男が手に入った。
その現実が椿の全ての五感を支配する。
それはとても甘美な感情で。
とても危うかった。
それでも、愛しい男の全てが手に入り、椿はこれ以上無いほどの幸福感を受けた。
これが地獄の始まりとは知らずに。
椿は直哉から繰り返されるキスを受け入れて涙を流した。
ああ……私は世界一幸せな女だろう。
直哉の背中にドロドロと、黒い呪いが現れていても、椿は目を瞑って目の前の幸せだけを見ていた。