第2章 イかれた婚約者
苛々していた分、椿を揶揄う事が出来て、少し気分は落ち着いた。
悟の体が離れると椿は自分の腕で胸を隠した。
その椿の行動を、悟はチラリと横目で見た。
別に焦ってこんな場所で抱かなくても。
どうやらあの体は自分の為にあると分かった。
なら、楽しみは充分に味わえるその時まで待っても遅く無い。
「ああ、それからそのパンツ姿は辞めて、これからはスカートにしてよね、タイトなやつ。」
結婚の主導権を握った途端に、今まで興味が無かった椿の服装にまで文句を言う。
椿はその悟の言葉に悔しそうに唇を噛んだ。
(……本当に、僕が好きで結婚するんじゃ無いんだな…。)
その表情を見て、悟はまた目を細める。
だけど、今日はもういい。
これ以上問い詰めても、椿は何も話さないだろう。
そう分かっていたので、悟はそのまま部屋を出た。
「!?」
ドアのすぐ横に一条昴が立っているのを見て、悟は顔を顰める。
そしてすぐにまた部屋に戻った。