第2章 イかれた婚約者
「…2年だけ、結婚して私を五条家に嫁がせて欲しい。貴方との子供を産んで、ちゃんと五条家の嫁の責務は果たすつもりだから。その後は25歳の誕生日を過ぎたら、離婚していい。その2年間だけ、貴方の時間を私にちょうだい。」
椿の目はふざけている訳でも無く、いたく真剣だった。
ああ、本当に。
イカれた婚約者だ。
悟はスッとソファから立つと、その部屋を出ようとした。
「待って!!」
すぐに椿はその背中を掴んだ。
ぎゅっと自分の背中を掴む椿の手に、悟は目を顰めた。
17年間少ない時間を過ごして、こんな風に椿に縋られたのも初めてだった。
「悟は今まで通り女性と遊んでてもいい!25歳になったら、離婚だって素直に受け付ける!だから……お願い……。」
椿の言葉を聞きながら、悟は大きなため息を吐いた。
「私と結婚して………。」