第2章 イかれた婚約者
「……椿を見ていると、どう考えても、僕を好きで結婚する様には見えないんだけど…。」
悟に詰め寄られても少しも動じない。
好きなら、距離を縮めたらときめくものじゃないのか。
「……言い方が悪かったわ…、今更結婚の為に変わらなくていいって事よ…。私は悟と結婚出来れば幸せだから…。」
何度言い直されても、全然愛を感じない。
「随分と僕を分かってる言い方をするんだな。僕が結婚してまで今の生活をすると、どうして言い切るの?意外にいい夫になるかもよ?」
悟の言葉に椿は顔を顰めた。
そして、そう言った悟自身さえ、それは言い過ぎだと分かって目を逸らす。
何をそんなにムキになっているのか…。
椿はそんな横を向いている悟を見た。
「椿は何で僕の事が好きなの?」
「……顔?がいいから?」
「顔しか知らないもんね、僕の事。」
今日は随分と喰らい付いてくる。
引かない悟に、椿は右眉をピクっと動かした。
椿がイライラしている証拠だ。