第8章 視えない悪夢
彼女を腕の中に抱いているだけで、満たされた気分になって。
彼女が自分を愛していないことなんて、どうでもよくなった。
「ん…あっ…悟っ…。」
「はぁ… 椿…。あんまり声出さないで…。」
こんなに長く抱いていたいと思ったのは初めてだった。
突き上げる度に、射精感を促されて、奥歯を噛み衝動に耐えている。
そんな悟の我慢も、椿の吐息のような声に全て崩される。
「… 椿、もう出していい?」
昨夜からその繰り返しで、何度この情けない言葉を吐いただろう。
彼女の返事を聞く前に、一定のリズムで動いていた腰が、勢いを増した。
急に激しくなる動きに、椿の背中は仰反り、嬌声は大きくなる。
激しさから逃げる腰を掴んで、さらに奥に突き立てると、背中から強烈な快楽が全身を襲った。
「っ……っ。」
うめき声とも言えない小さな声が悟から漏れると、激しかった律動がピタリと止まった。
代わりに体の奥に、熱が広がり、中のモノがビクビクと痙攣しているのが分かった。