第8章 視えない悪夢
帳を張った部屋の薄暗さは、夜明けがきてもその明かりを感じさせない。
悟はベットに横になりながら、腕の中で寝ている椿を見ていた。
シングルベッドは確かに小さくて、お互いに向かい合って、体を密着させていても、少しの寝返りで、体が落ちそうだった。
悟は椿の背中がベッドからはみ出ないように、彼女の体を自分の元に寄せた。
(……寝ないように頑張っていたな。)
結局寝かせるまで、悟は執拗に椿の体を貪っていた。
頑固な椿が、無駄に気丈に悟に付き合うから、結局眠りについたのは、つい先ほどだった。
それから悟は、椿の少しの変化を見逃さないように、ずっと椿を見ていた。
少しでも眉を顰めたなら、すぐに起こすつもりだった。
結果、完全に朝日が昇り切って、帷を張り、六眼を使っても、呪霊の気配は感じられなかった。
『椿の側に呪霊はいなかった』
昴が言ったことは正しかったようだ。