第8章 視えない悪夢
少し前に、あなたは伏黒恵を保護して、もう少したったら東京校の教師になるわ。
夢と一緒で。
そして、次に繋ぐ呪術師たちを育てて、自分は仕事と高専の往復の生活が始まるわ。
高専時代のように、無鉄砲で自由奔放にはいかないけど、たまに規格外のことをしでかして、周りを驚かせるところは私が死ぬまで変わらなかった。
女遊びも直哉より激しかったこともないし、折り合いをつけながら、自分なりに遊んでいた。
そんなあなたをたまに見かけて一瞬だけ考えたことがあった。
『もし、あの時あなたを選んでいたら、何か変わったのかしら。』
だけど、夢の中の私はそんな考えをすぐに消して、また直哉の元に戻って行ったわ。
あなたがそんな顔をして、私を見ていたなんて知らなかった。
今のあなたの行動や表情は、そんな私でも知らないことばかりで、困惑しているけど。
夢の中であなたのことを知っていると言ったら、あなたはやはり私のことを頭がおかしいと思うでしょうね。
でもね。
私は本当はあなたのことを知っているのよ。
ねぇ。悟。