第7章 慕情
昴にとってそうでなければいけなかった。
じゃなければ、呪霊に殺されると泣いて懇願する椿を押さえつけて、無理矢理針を刺していたのだ。
あの細い腕が真っ青になるまで、毎夜。毎夜。
それが最善と信じて。
「…………。」
悟の言葉に昴は見るからに青い顔をして、俯いていた。
「まぁ過ぎた話はどうでもいいや。それより動けるなら早く帰ってくれない?僕早く椿との同棲生活楽しみたいから。」
顔を蒼白にしている昴を一瞥した後に、悟は組んでいた腕をそのままに、片手で昴を払うように言った。
「は?」
昴からまた間の抜けた声が漏れた。
「鈍いな、帰れって言ったんだよ。僕の邪魔する気?」
「…帰れる訳ないだろ…どうみたって監禁…。」
???
同棲生活?これが?
昴は隣の暴音を聞きながら、訳が分からないと表情で訴えた。
「聞かせる訳ないだろお前に、椿がどんな風に乱れるかなんて。」