第6章 狂気の月
「…………昴…………。」
椿が思わず漏らした声に、その物体がピクリと動いた。
「嘘でしょ?!昴?!!」
椿は悟の手を払って、昴の側に屈んで彼の体を揺らした。
「っ!!!ぅっ!!」
自分の目で確認した昴の姿に、椿は喉から変な音を出した。
昴の首筋に傷が見えて、そこから血を流していたのだと分かった。
幸いだったのは、その傷口が塞がっていると言う事だった。
しかし、昴の体から流れたのだと分かる体液の量に、椿は更に顔を歪ませた。
「っ!!昴に何したの??!!」
椿は昴から目を離すと、悟を睨み付ける様に睨んだ。
悟は腕を組みながら、昴の体を支える様に寄り添う椿を見下ろしていた。
「……何って……しつけ?」
「…っしつけって……、昴が何をしたって言うのよ…。」
椿の言葉を聞いて、悟は不思議そうな顔をした。