第6章 狂気の月
それほど感情を揺さぶられた行為は、あっという間に悟に夢中になった。
今度は夢で直哉にしたのと同じ様に悟にしがみ付き。
同じ様に彼からの情欲に昂る自分を感じた。
その情欲の時間を悟に費やして。
椿はゆっくりと目を瞑った。
それが甘い感情で無い事を。
すぐに知る事になるとは知らずに。
「椿、起きて。」
「………ん……。」
どれだけ寝ていた……、いや、気を失っていたのか。
椿は悟に起こされてやっとその目が開いた。
見上げた窓の外は、灯りが少しも入らない位に暗くなっていた。
時間を確認したかったが、その部屋には時計が無かった。
腕時計はいつの間にか外れていて、時間を確認するには鞄の中からスマホを取り出すしか無かった。
だけど、ソコまで時間を知りたかった訳では無かったので、椿はゆっくり体を起こしただけだった。