第6章 狂気の月
再び始まる律動は、先程痛みを与えられただけの動きではなく。
確かに椿に他の刺激も与えていた。
「ああっあっ…。」
その刺激を抑える様に、椿は悟にしがみ付いた。
事もあろうに、椿の体は悟によって、痛み以外の快楽も与えられている。
その事実を隠す様に、椿は悟の胸に自分の顔を埋めた。
そんな椿の衝動をわかっている様に、悟は椿の頭を掴むと、赤い唇にキスをする。
キスとはこんなに興奮を促すモノだっただろうか。
「うっ、ああっ…悟っ…。」
自分でも驚くほどに、舌を絡めて悟に縋っていたのは自分だった。
薄っすら目を開けると、顔を紅潮させて自分を見下ろす悟の顔があった。
直哉の様な男が、自分の好みだと思っていた。
それは、そう夢が示していたから。
だけど、我慢も出来ずに自分を求める悟の表情を見て。
椿はこんな顔をする悟が、本当は自分の好みの男ではないかと思った。