第6章 狂気の月
この身体は間違いなく純潔だ。
それは間違い無い。
だけどあの夢はただの夢では無い。
禪院直哉に抱かれた時の愛おしい気持ちも。
重ね合う肌も、何もかもが現実の様な時間だった。
まるで本当に好きな男と肌を合わせている恍惚の時間を夢で過ごしていた。
同時に殺される時は、痛みも恐怖も同じ様に現実の様に感じる。
アレがただの夢の訳が無かった。
夢で見ただけの禪院直哉と現実でも会った。
一条昴は殺された情報から、本人を見つけ出して自分の手の中にある。
「あっ……はぁ……。」
だから情事の時に、男がどの様に動くか知っている。
それに合わせてどう自分が動けばいいかも。
何度何度も悪夢で禪院直哉に抱かれた記憶からだ。
「……余裕だね…。こんな時に考え事出来るんだ。」
悟の手が止まって、椿を伺う様に悟は顔を覗き込んできた。
「………そんな事無いよ…。」
椿はすでに服は脱がされて、綺麗な裸体を悟に差し出していた。