第6章 狂気の月
夜な夜な発狂する自分の婚約者。
その部屋に入り朝まで出てこない目障りな犬。
きっと理由を聞いた所で、納得も気持ちも落ち着くはずが無い。
だけど、悟を好きな訳では無いのに結婚したい。
その理由の全てがそこにあると悟は思っていた。
どうだろう。
目の前の女は、戸惑った顔をしているが、その内側を見せようとはしていない。
「……まぁ、聞かなくてもその内分かると思うけど…。」
悟はそう言うと、椿の唇にキスをした。
それは情欲をたっぷりと込めたキスで、唇を開かせた隙間に舌を押し込んだ。
「んっ……。」
椿は悟のキスを拒む事はしないで、素直に絡んでくる舌に応えた。
結局はこのまま抱かれるのだろう。
別に好きでも無い悟に抱かれる事なんてどうでもよかった。
自分が死ぬ事に比べたら。
だから椿は悟が喜ぶ様に自分から悟に抱き付いて、キスに応えた。