第6章 狂気の月
「昴は?」
「犬らしく大人しく待ってるさ。」
「………………。」
まるで本当に犬の様に昴を扱う悟に、椿はため息を吐いて顔を背けた。
それが気に入らなかったのだろう。
「?!」
悟は椿の顔を掴むと、自分の方に顔を向けさせた。
「……何…?」
無表情で自分を見下ろす悟に、椿はゴクッと唾を飲み込んだ。
「…ちゃんとスカート履いてきていい子だね。」
ニコッと笑いながら、椿の腰を掴んでタイトなスカートの上から太ももまで手を滑らせた。
「………………。」
その悟の行動に、少し顔を赤らめさせるが、特に嫌がる事はしないで、成り行きを見守っていた。
「…教えてくれる?」
グッと体を押し付けられて、悟の顔が近付くと、流石に椿は目を細めた。
「あの犬っころが、毎晩僕の婚約者のベッドに入っている理由は何?」
「…………………。」
伊集院家に潜り込ませたメイドから、殆どの報告を受けていた。