第5章 独裁者
「……昴…大丈夫だよね?」
椿の問いかけには、頷くしか出来ない。
駄目と言ってもこの独裁者はそんな事を許さないだろう。
椿は昴が返事をしなくても別に咎めない。
自分が言ったなら、昴は絶対にその命令を聞くと分かっているから。
何故今回、昴はこんなに悟を怒らせたのか。
その理由は悟が言った通り、椿が昴を特別扱いしているからなのだろうか。
ならその矛先を直哉にぶつけたらどうなるのだろうか。
少なくとも昴が傷付いた時には腹立たしかったが。
それが直哉なら椿はスッキリするだろう。
(昴を使って直哉を殺せないなら。)
その役目を悟に押し付けても良いのでは無いか。
そんな考えが椿に浮かんだ。
椿は使えるモノは全部使いたい。
本気で直哉に殺されると思っているから。
その為に五条悟にも近付いた。
昴がこれ以上傷付かない様に。
肝心な時に昴が自分の側に居られる様に。
椿は少し作戦を変更する事にした。