第5章 独裁者
結局はこの男に抱かれる事になるのか。
椿は悟のキスを受け入れながらそう考えた。
昴を育てなのは悟だ。
やはり悟が1番強いのだろう。
実際に直哉がどの位強いかは分からない。
漠然と昴の方が強いと思ったが。
悟にああも簡単にやられてしまうと、その認識も不安になった。
そう。
いつも不安が付き纏っている。
久しぶりに自分を見る直哉の目を見て、ずっと胸がモヤモヤしていた。
椿はキスを繰り返してくる悟の顔を両手で掴んだ。
「?!」
自分から悟に唇を押し付けると、悟の唇を割って舌を押し込んだ。
この前はキスをされるがままで顔を赤くしていた椿とは全く違っていた。
また思い知らされる。
このキスは男との情事を知っているキスだった。
苛立ちで顔を顰めると、乱暴に椿の体を掴んだ。
黒いスーツを脱がして、ワイシャツのボタンに手を掛ける。
悟が椿の服を脱がせている間も、椿はキスをやめなかった。
ワイシャツがはだけて、白い肌と下着が見えると、悟は椿を抱き上げた。